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Re:again
第13章 【さよならの向こう側】
「ちゃっちゃと用事を済ませて帰ってくるから。な?
明後日の昼には帰ってくるよ。約束する」
小指を絡めてこようとする爽介の指を払い除ける。
『ヤダッ。旅行、まだ始まったばっかりなのに‥買って貰ったワンピースも見せてない』
「そうだな。ごめん‥機嫌直せよ。帰ってきたら埋め合わせするから。
どこでも連れてってやるし、何でも買ってやる。水着、可愛いかった。ワンピースは帰ってから見せろよ。な?」
爽介のTシャツを掴んだまま、ふて腐れる。
苦笑する爽介。
「みーちーるー。お前は笑った方が可愛いよ」
抱き締められ、額にキスを落とされた。
『‥私もいっしょに行くのはダメ?
爽介がお仕事の時は大人しくしているから。邪魔しないから連れていって……』
旅行は楽しみたいけれど、爽介がいないのならいっしょに付いて行きたい。
葵と早織ちゃんの姿を見ているのも辛かった。
遠征に行く時、爽介は必ず私を誘う。
どこかで甘い期待があった。
私のお願いを聞いた途端、爽介の表情が曇った。
「ダメだ―お前は連れていけない」
*****
あっという間に車に荷物を積み込む爽介。
私は不機嫌さを隠さない。
爽介のキスを拒んだ。
爽介がまた、苦笑する。
小さな躊躇いの後、私の頬を撫でる。
「―早く部屋を探しに行こう。いくつか目星は付けているけど、ふたりで選びたい。
‥すぐに帰って来るから。な?」
心細さと寂しさが込み上げ、爽介の胸に頬を寄せた。
部屋の中から、孝介が私たちの様子を見ていた。
私と目が合い、レースのカーテンを引いて窓から離れていく。
「‥よそ見すんなよ。絶対帰ってくるから、俺の帰りを待ってろ」
*****
早くに目が覚めた。
昨日は爽介に置いていかれたことがショックでベッドでふて寝をし、そのまま寝入ってしまった。
薄暗がりの中で起き出し、ベッドで眠るマイコの寝顔を見つめる。
お酒臭い‥。
サイドテーブルに芋焼酎とぐい飲みが置いてあった。
小さく笑い、置き手紙を残す。
《スケッチに出掛けてきます。みちる》
*****
明後日の昼には帰ってくるよ。約束する」
小指を絡めてこようとする爽介の指を払い除ける。
『ヤダッ。旅行、まだ始まったばっかりなのに‥買って貰ったワンピースも見せてない』
「そうだな。ごめん‥機嫌直せよ。帰ってきたら埋め合わせするから。
どこでも連れてってやるし、何でも買ってやる。水着、可愛いかった。ワンピースは帰ってから見せろよ。な?」
爽介のTシャツを掴んだまま、ふて腐れる。
苦笑する爽介。
「みーちーるー。お前は笑った方が可愛いよ」
抱き締められ、額にキスを落とされた。
『‥私もいっしょに行くのはダメ?
爽介がお仕事の時は大人しくしているから。邪魔しないから連れていって……』
旅行は楽しみたいけれど、爽介がいないのならいっしょに付いて行きたい。
葵と早織ちゃんの姿を見ているのも辛かった。
遠征に行く時、爽介は必ず私を誘う。
どこかで甘い期待があった。
私のお願いを聞いた途端、爽介の表情が曇った。
「ダメだ―お前は連れていけない」
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あっという間に車に荷物を積み込む爽介。
私は不機嫌さを隠さない。
爽介のキスを拒んだ。
爽介がまた、苦笑する。
小さな躊躇いの後、私の頬を撫でる。
「―早く部屋を探しに行こう。いくつか目星は付けているけど、ふたりで選びたい。
‥すぐに帰って来るから。な?」
心細さと寂しさが込み上げ、爽介の胸に頬を寄せた。
部屋の中から、孝介が私たちの様子を見ていた。
私と目が合い、レースのカーテンを引いて窓から離れていく。
「‥よそ見すんなよ。絶対帰ってくるから、俺の帰りを待ってろ」
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早くに目が覚めた。
昨日は爽介に置いていかれたことがショックでベッドでふて寝をし、そのまま寝入ってしまった。
薄暗がりの中で起き出し、ベッドで眠るマイコの寝顔を見つめる。
お酒臭い‥。
サイドテーブルに芋焼酎とぐい飲みが置いてあった。
小さく笑い、置き手紙を残す。
《スケッチに出掛けてきます。みちる》
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