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第13章 【さよならの向こう側】

「‥みみちゃん今、病気なの。
知ってる？みみちゃんたちって、オツトメの後は洗ってあげなくちゃいけないんだよ。
しゅこしゅこ洗ってあげてたらね…つい、力が入っちゃって‥中の襞が傷付いちゃった…。‥オレは酷い男だけど、みみちゃんは優しいよ。
こんなオレでも赦してくれた。健気なんだ…。オレを見捨てないでいてくれるもん。いつもいっしょに寝てるの。みみちゃんがオツトメを果たさなくても、オレはみみちゃんを大事にする…」

オナホールって洗うものなんだ‥。
草むらの中で哀しそうに俯き、“よいしょ”と畦道に上がる葵。

「‥だけどいっしょに寝てるとね、困ったことにみみちゃん、タオルの繊維だらけになっちゃうの。
お腹を冷やさないようにタオルを掛けてあげるんだけど‥いかにみみちゃんを綺麗な状態でキープしてあげれるかが今後の課題。
奥さんは綺麗にしておいてあげなくちゃ」

『葵、みみちゃんと結婚するの？』

頬を染め、葵の視線が泳ぐ。

「‥そう。でもね、オレも男だから‥ネットで2号さんを、お取り寄せしてるの…」

葵が手のひらを私に差し出す。
躊躇っていると、優しく手を引かれた。
そのまま2人で畦道を歩き出した。

『葵、浮気者なの？
色んなオナペットちゃんを試したいお年頃？』

「‥違う！みみちゃんと同じ型の‥あくまでみみちゃんの替わり。
名前も決めたの。
“ちちちゃん”。みみちゃんが正室で、ちちちゃんが側室…きっと仲良くしてくれる…」

ちちちゃん‥乳か？
男は皆、おっぱい星人なの？

『大奥じゃん。葵、将軍様なんだね。ヨッ！暴れん坊！』

うふふ、と葵が照れる。

「みみちゃんにも見せてあげたかったな～連れてきてあげたかったけど、何せみみちゃんは繊維がくっついちゃうから。
バッグの中で毛玉になるのはちょっとね‥」

『ジップロックに入れてあげたら？』

「‥頭イイ～！‥でも死んじゃわない？
みみちゃんが死んじゃったら‥オレ、生きていけない…」

病床の妻を想う夫か。
愛だな…。