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第13章 【さよならの向こう側】
「‥こんなに爽兄に似ているのに?」

『どんなに似ていても。真央ちゃんは真央ちゃん。爽介は爽介。
皆、代わりになんてなれません』

真央が顔を上げて困ったように笑った。

「‥そんな軌道修正、アリかよ。
俺の“一世一代の何とやら”だったのに。
ミーコってアレだよな‥ブサイクで脳味噌ミジンコだ。馬鹿だ。
俺の言葉の意味がわかんねぇんだろ。
一生、わかんねぇままでいろ。ばーかばーか!」

『爽介みたいなコト言わないで!』

私のパンチをすべて避け、真央が笑った。
すぐに哀しそうな瞳になる。

「………ごめん。やっぱり俺は知らないふりなんて出来ない。
ミーコ。爽兄が明日、帰って来なくても責めないでいてやってくれよ‥俺が代わりに謝るから。赦してやって……今日は爽兄にとって《普通じゃない日》なんだ。今日は――」

*****

夕食は施設内のフレンチレストランで済ませた。
1品ずつ注文し、シェアする。
高原野菜に新鮮なお魚。お肉も等級が高いモノが使用されている。
味付けが上品だった。

気を利かせたのか、孝介が衣装をレンタルで手配してくれた。
マイコは黒いスリット入りのロングドレス、早織ちゃんはノースリーブの光沢のあるオフホワイトのカクテルドレス。
私はちんちくりんらしく、真っ赤なチュールがついたパフスリーブのワンピースを選んだ。
お笑い芸人のようになった。
皆に笑われ、気を良くした。
男性陣も思い思いのスーツに着替えた。
伊達男の孝介はシルバー。タイは着けずに、ボタンを外して紫色のスカーフを巻いていた。
真央は何故か真っ白なタキシードを着た。
首に黒いチョーカーを巻いて、ポケットに白い薔薇を挿していた。
マイコが仕上げた編み込みヘアにも薔薇が散っていた。
益々真央の性別がわかりづらくなった。
葵は何の装飾もない黒いスーツを着こなしていた。

ドレスコードに合っているのか合っていないのかわからない面々で、テラスで食事をした。
楽しくて、楽しくて、いつまでもこの時間を過ごしていたかった。
―明日なんて、訪れなくていい。

普段口にしないワインをたらふく呑んだ。
赤でも白でもロゼでも良かった。
孝介やマイコに薦められるままに呑んだ。
永遠に呑み続けていたかった。
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