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Re:again
第15章 【薔薇色の日々】
「そんなコトは、後から考える!」
『でも……』
「でもも糞もないッ!
【出逢いと別れは繰り返す】んだってば。
別れたって離れられないなら、しょうがないじゃん。
運命の手のひらの上でコロコロ転がされな!」
『だって…爽介を想うような気持ちは葵には……』
「アンタどこまでトンマなのよ!爽介君は爽介君。葵君は葵君。
同じような気持ちなんて抱くはずがないじゃない。
みちるは爽介君が好きだった。
この夏、彼に恋をした。
それはそれでイイ。
だけど葵君は?アンタ、本当に心の底からこのままで良いと思ってる?
未練なんて1%もない?
爽介君みたいに綺麗に別れられる?
二度と会わなくても平気?
…平気じゃないから、その薄汚い段ボールを大事に抱えてきたんでしょう?
捨てられなかったんでしょう?
捨てたくないんでしょう?葵君との思い出を。葵君の存在を」
“みちるちゃん”と私の名を呼ぶ、あの鼻声が聞きたかった。
葵のぽやぽやの笑顔が見たかった。
散らかった部屋でバッグを探し、携帯を取り出す。
震える指で電話を掛ける。
『話し中だ……』
キィェェェェと、マイコが金切り声を上げた。
「こうなりゃ奥の手だ!葵君は私が捕まえる!アンタは走りな!」
『いったいドコを?!』
「ドコでもイイからとりあえずその辺を全力疾走しときな!
追い掛けっこだ、うすのろ!」
『……………』
マイコの目が血走っている。
言っていることは支離滅裂だけれど、恐いから大人しく従おう。
とりあえず、葵の自宅まで走ってみようか?
『‥じゃ、いってきます』
「葵君に巡り逢うまで、帰ってくんな!」
そんな無茶な……。
「―生きてる内は、何度だって巡り逢える。
めげるなよ、みちる。
怖がらずに幸せになりな…」
*****
『ハァハァ………』
狂乱の季節は過ぎ去ったはずなのに、部屋を追い出され、わけもわからず私は走っている。
もう一度、葵に電話を掛ける。
今度は電源が切られていた。
連絡も取れないのに、どうやって葵に会えって言うんだろう?
ゴゴゴゴゴ……
背後から謎の騒音と奇声が迫ってきた。
「‥届け!愛の暴走特急~!!!!!…」
『でも……』
「でもも糞もないッ!
【出逢いと別れは繰り返す】んだってば。
別れたって離れられないなら、しょうがないじゃん。
運命の手のひらの上でコロコロ転がされな!」
『だって…爽介を想うような気持ちは葵には……』
「アンタどこまでトンマなのよ!爽介君は爽介君。葵君は葵君。
同じような気持ちなんて抱くはずがないじゃない。
みちるは爽介君が好きだった。
この夏、彼に恋をした。
それはそれでイイ。
だけど葵君は?アンタ、本当に心の底からこのままで良いと思ってる?
未練なんて1%もない?
爽介君みたいに綺麗に別れられる?
二度と会わなくても平気?
…平気じゃないから、その薄汚い段ボールを大事に抱えてきたんでしょう?
捨てられなかったんでしょう?
捨てたくないんでしょう?葵君との思い出を。葵君の存在を」
“みちるちゃん”と私の名を呼ぶ、あの鼻声が聞きたかった。
葵のぽやぽやの笑顔が見たかった。
散らかった部屋でバッグを探し、携帯を取り出す。
震える指で電話を掛ける。
『話し中だ……』
キィェェェェと、マイコが金切り声を上げた。
「こうなりゃ奥の手だ!葵君は私が捕まえる!アンタは走りな!」
『いったいドコを?!』
「ドコでもイイからとりあえずその辺を全力疾走しときな!
追い掛けっこだ、うすのろ!」
『……………』
マイコの目が血走っている。
言っていることは支離滅裂だけれど、恐いから大人しく従おう。
とりあえず、葵の自宅まで走ってみようか?
『‥じゃ、いってきます』
「葵君に巡り逢うまで、帰ってくんな!」
そんな無茶な……。
「―生きてる内は、何度だって巡り逢える。
めげるなよ、みちる。
怖がらずに幸せになりな…」
*****
『ハァハァ………』
狂乱の季節は過ぎ去ったはずなのに、部屋を追い出され、わけもわからず私は走っている。
もう一度、葵に電話を掛ける。
今度は電源が切られていた。
連絡も取れないのに、どうやって葵に会えって言うんだろう?
ゴゴゴゴゴ……
背後から謎の騒音と奇声が迫ってきた。
「‥届け!愛の暴走特急~!!!!!…」