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Re:again
第7章 【EAT ME!】
*****
葵と手を繋いでカフェを出たところで、猛烈な勢いで近づいてくる人物の気配を察知した。
シャッシャッと風を切る音が聞こえる―
ゴゴゴ‥という効果音がもれなく付いてきそうな禍々しい黒いオーラ。
私の危険レーダーがビンビンに反応している。嵐の予感…。
何となく誰なのか予想はついたけれど‥確かめるのが怖くて葵の身体に隠れようとする。
‥背後からガッと後頭部を掴まれた。
「‥どうも。突撃!隣の強姦魔です。
ちょっとツラ貸せや」
「‥この小さな生き物、知り合い?…」
“小さな”という単語に後頭部を掴む手の力が強くなった。
無表情のまま葵が、私の後頭部を掴む手のひらを振り払う。
『全然知らないひと!』
ガッ。無言で髪の毛を背後から掴まれた。
ひ‥引っこ抜かれる!!
バシッ。葵が背後の手を振り払う。
ドカッ。バシッ。ゴンッ。ベシベシッ。
後頭部のあたりでの小競り合い…。
「‥ひとのモノに触るなよ…」
背後を振り返るのも恐ろしいけど、段々険しくなる葵の顔も恐ろしい。
後ろは地獄。前もまた地獄。
「奇遇だな。俺も同じことを考えてる」
何故だか楽しそうな背後の声。
『爽介!!』
聞き捨てならなくて背後を振り返って文句を言ってやろうと思えば、葵に頭を固定される。
葵の手ごと爽介に掴まれる。
『ギャ!!痛ッ!!!』
頭割れちゃうよ!!
顔を思いっきりしかめたら、躊躇いがちに葵の手が離れた。
身体が背後に傾ぐ。
あっという間に私の身体は爽介の腕の中。
葵は私たちを睨み付けている。
大きなサングラス姿の爽介がにやりと笑う。
「コイツは生まれる前から俺のだよ。
ちょっかい出してんのはお前の方。
みちる、行くぞ」
爽介の肩に担がれ葵と引き離される。
『葵‥ごめん!埋め合わせはするから…!!』
葵の表情がくしゃくしゃに歪む。
「‥みちるちゃん!パンツはどうするの?!…」
大きな声に道行く人々が振り返る。
『パンツはまた今度!!』
葵はより一層悲しそうな顔をして‥ゆっくりとこちらに背を向けた。
葵の背中が小さくなってゆく…。
「お前らなんちゅー会話してんだよ…」
爽介の心底呆れた声。
5/25 13:50
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葵と手を繋いでカフェを出たところで、猛烈な勢いで近づいてくる人物の気配を察知した。
シャッシャッと風を切る音が聞こえる―
ゴゴゴ‥という効果音がもれなく付いてきそうな禍々しい黒いオーラ。
私の危険レーダーがビンビンに反応している。嵐の予感…。
何となく誰なのか予想はついたけれど‥確かめるのが怖くて葵の身体に隠れようとする。
‥背後からガッと後頭部を掴まれた。
「‥どうも。突撃!隣の強姦魔です。
ちょっとツラ貸せや」
「‥この小さな生き物、知り合い?…」
“小さな”という単語に後頭部を掴む手の力が強くなった。
無表情のまま葵が、私の後頭部を掴む手のひらを振り払う。
『全然知らないひと!』
ガッ。無言で髪の毛を背後から掴まれた。
ひ‥引っこ抜かれる!!
バシッ。葵が背後の手を振り払う。
ドカッ。バシッ。ゴンッ。ベシベシッ。
後頭部のあたりでの小競り合い…。
「‥ひとのモノに触るなよ…」
背後を振り返るのも恐ろしいけど、段々険しくなる葵の顔も恐ろしい。
後ろは地獄。前もまた地獄。
「奇遇だな。俺も同じことを考えてる」
何故だか楽しそうな背後の声。
『爽介!!』
聞き捨てならなくて背後を振り返って文句を言ってやろうと思えば、葵に頭を固定される。
葵の手ごと爽介に掴まれる。
『ギャ!!痛ッ!!!』
頭割れちゃうよ!!
顔を思いっきりしかめたら、躊躇いがちに葵の手が離れた。
身体が背後に傾ぐ。
あっという間に私の身体は爽介の腕の中。
葵は私たちを睨み付けている。
大きなサングラス姿の爽介がにやりと笑う。
「コイツは生まれる前から俺のだよ。
ちょっかい出してんのはお前の方。
みちる、行くぞ」
爽介の肩に担がれ葵と引き離される。
『葵‥ごめん!埋め合わせはするから…!!』
葵の表情がくしゃくしゃに歪む。
「‥みちるちゃん!パンツはどうするの?!…」
大きな声に道行く人々が振り返る。
『パンツはまた今度!!』
葵はより一層悲しそうな顔をして‥ゆっくりとこちらに背を向けた。
葵の背中が小さくなってゆく…。
「お前らなんちゅー会話してんだよ…」
爽介の心底呆れた声。
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