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Re:again
第7章 【EAT ME!】
黙秘。

「フッ。だいたい想像つくけどな。
虐められてめそめそしてるかと思ったけど元気そうじゃん」

『‥連絡したかったなら孝ちゃんに聞けば良かったのに。たぶん、私の連絡先知ってるよ』

何せ抜け目のない次男坊。

「あ゛?!アイツ、一言もそんなこと言わなかったぞ?!舐めやがって…」

くっくっくっ。
時限爆弾をひとつ、孝介殿に差し上げよう。

*****

5/25 14:30

「昼飯食い損ねた‥」

爽介がぼやいたのでコンビニに寄る。

ドライブの終着地は海。
浜辺に降りるのかと思いきや、車のドアを開けて後部座席に移る爽介。
私も倣い、横に並ぶ。
海風が気持ち良い。
きらめく波に目を細める。寄せては返す波の調べ―

ガザガサと袋からケーキを取り出す爽介。

『お昼ごはんがケーキなの‥?
甘い物苦手じゃなかったっけ…?』

「黙って食え」

いつからスイーツ男子に??
いぶかしみながらクリームとチョコのケーキをそれぞれ分け合う。

「舌出せ」

いちごを口にねじ込まれた。
果物好きとしては嬉しいよね。ありがとう。

『爽介チョコレート嫌いだったよね?
バレンタインデーの時、機嫌悪かったじゃん』

モテ男の憂鬱。
尋常じゃないチョコレートを贈りつけられるバレンタインデー。

「食えねぇモン貰っても仕方ねぇんだよ!」

前日から爽介はナーバスになっていた。
断っても逃げても、女の子にチョコレートを渡されるから。

「食えねぇから全部お前にあげてたじゃん」

『それが嫌だったんだよ‥』

「お前、甘いモン好きだろ?
いつも何かくちゃくちゃ食ってたじゃねーか」

『だって皆、爽介が好きであげてるのに‥悪いでしょ』

罪悪感。
ひとつひとつに想いがこもったものだから‥
爽介以外の誰かが食していいわけがない。
私だって同じなのだから、痛いほど気持ちがわかる。

“嫌なら切り刻んでしまえばいい”
女の子たちからのチョコレートを拒否する私に、爽介はそれらをすべて切り刻んで溶かして食べろと強要した。
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