この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Re:again
第7章 【EAT ME!】
『私が蹴っちゃったから骨折したんでしょう‥?肋骨…』
「‥孝介のヤツ。
からかわれたんだよ、お前。
てか、アイツお前に会うこと教えなかったよ。こっちはショックで臥せってんのに。薄情な弟だよ。
何簡単に騙されちゃってんの、ほら」
Tシャツをぺろん。
私の片手を掴んで、爽介は割れた腹筋を触らせた。
ドキドキッ。
「見ての通り。何ともない」
『‥硬い…』
手を置いたまま思わず呟く。
「鍛えてますから。スポーツ馬鹿らしいし、俺」
爽介が喉を震わせる。
今日初めて、サングラスを取った。
『故障ってのは本当‥?』
「んーまぁな。
膝の皿をちょっと。
でも大したことはない。跳ぼうと思えば跳べる。
どっちかっつーと、身体よりも心の問題。
息抜きを兼ねてってのが本音。
たまにさ、県外回ってると息がつまりそうになる。
ここはいいよなー。空が青いし。海だって青い。山もあるし。なんもねぇけど、ある意味すべてが揃ってる。
生まれた場所で暮らすのが、人間一番幸せなのかも」
『あぁ‥それはわかる気がする。田舎だけどホッとするよね』
潮の香り。
はるか彼方の水平線に夕日が溶けてゆく―
「波に乗りてぇなー。
‥帰ってきて良かった。うすら馬鹿に会えたし。
古傷広げられて塩を塗りこまれたのには本気でビビったけど」
『私も、爽介と逢えて良かった‥。
慌てふためいたけど。
自分が考えていたこととまるきり違ったから。スッキリした』
「みちる―なんで俺のこと“爽介”なんて呼ぶワケ?
もう昔みたいには呼んでくんないの?」
爽介の熱い視線‥
心臓が騒ぎ出す。
コーヒーの空き缶に爽介が吸い殻を放る。
炎が消える音……
「‥孝介のヤツ。
からかわれたんだよ、お前。
てか、アイツお前に会うこと教えなかったよ。こっちはショックで臥せってんのに。薄情な弟だよ。
何簡単に騙されちゃってんの、ほら」
Tシャツをぺろん。
私の片手を掴んで、爽介は割れた腹筋を触らせた。
ドキドキッ。
「見ての通り。何ともない」
『‥硬い…』
手を置いたまま思わず呟く。
「鍛えてますから。スポーツ馬鹿らしいし、俺」
爽介が喉を震わせる。
今日初めて、サングラスを取った。
『故障ってのは本当‥?』
「んーまぁな。
膝の皿をちょっと。
でも大したことはない。跳ぼうと思えば跳べる。
どっちかっつーと、身体よりも心の問題。
息抜きを兼ねてってのが本音。
たまにさ、県外回ってると息がつまりそうになる。
ここはいいよなー。空が青いし。海だって青い。山もあるし。なんもねぇけど、ある意味すべてが揃ってる。
生まれた場所で暮らすのが、人間一番幸せなのかも」
『あぁ‥それはわかる気がする。田舎だけどホッとするよね』
潮の香り。
はるか彼方の水平線に夕日が溶けてゆく―
「波に乗りてぇなー。
‥帰ってきて良かった。うすら馬鹿に会えたし。
古傷広げられて塩を塗りこまれたのには本気でビビったけど」
『私も、爽介と逢えて良かった‥。
慌てふためいたけど。
自分が考えていたこととまるきり違ったから。スッキリした』
「みちる―なんで俺のこと“爽介”なんて呼ぶワケ?
もう昔みたいには呼んでくんないの?」
爽介の熱い視線‥
心臓が騒ぎ出す。
コーヒーの空き缶に爽介が吸い殻を放る。
炎が消える音……