この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
Re:again
第7章 【EAT ME!】
*****

5/25 19:00

家路を目指した車中。
キスを拒んだ気まずさもなく、爽介とどうでもいいことばかり語り合う。
積年の誤解が解れたからか、かつての気安さを取り戻した私たち。
‥それが例えその場しのぎのものであっても。
目隠しをして見えないふりを出来るくらいには私たちは大人なのだ。
爽介が言う通り、哀しいくらいに。

『ねぇ、孝ちゃんって私のこと好きだったんだって。驚いちゃった!爽介、知ってた?』

ミントガムを投げ合いっこしながら、ふと疑問を投げ掛ける。
爽介は火の点いていない煙草を取り落とした。
驚愕の眼差しが私に向けられている。

「‥今の今までお前が気付いていなかったことに俺はびっくりだよ。弟だけに不憫…俺、アイツに優しくしてやろう」

涙をこらえるように眉間を押さえる爽介。

「お前、今度会うまでに漢字の書きとりしとけよ。“男心”を方眼ノートに一心不乱に書き写せ。10ページほど。宿題」

『なんで?ソラでも書けるよ。“男心”なんて。爽介の方が“女心”の書きとりした方がいいんじゃない?』

ふふん。言い返してやった!
爽介が露骨に顔を歪めた。

「…俺は百戦錬磨のスケコマシだぜ?
女心なんてわし掴みしまくりだ!
‥俺がわかんねぇのはミジンコの生態だけ」

『そのミジンコが好きだったんでしょう?
兄弟揃って…痛ッ!なんでつねるの!!』

「メッタ刺しにされながら燃やされるのと、燃やされながらメッタ刺しにされるのとどっちが好みだ」

沈黙。

『……爽介。私、もう爽介たちに会わないよ。
爽介が私を想ってくれていたことは嬉しかった。
でも、もう会わない』

「―なんで?」

『爽介たちに会うと、これまでの日常が壊れてしまいそうだから。
馬鹿みたいに思われるかも知れないけど、私は安心安全な“つまらない日常”を守ることが何より大切なの。掻き回されたくない』

爽介の溜め息。

「――お前は本当に救いようがないウルトラ馬鹿だな」
/395ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ