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Re:again
第7章 【EAT ME!】
「お前の言う“つまらない日常”って何だよ。いいか、みちる。
全く同じ日なんて存在しねぇぞ。
あるのは“日常”だけ。お前が気づいてないだけで、絶えず日々は移ろい流れていく。
だいたい俺たちに再会した時点で、それまでのお前の日常なんか壊れてんだよ。
お前が望もうが望まないだろうが変化しちまってんだから。
お前はもう、船の上に乗ったようなもの。
お前がどんなにその場所に留まりたくても、風が吹いて波が立てば船は勝手に動く」

『爽介って‥詩人?』

「茶化すな。燃やすぞ」

『だって‥今日の爽介はやけに饒舌だから。
こんなにお喋りな爽介、見たことないんだもん』

「‥出鼻を挫かれた身としては何としてでも次に繋げたいわけ。
口説こうとしてんだから必死にもなる」

『口説いてんの?』

「……着火して打ち上げてやろうか?」

ぶるぶるぶる。

「ほら、ついだぞ。ここでいいのかよ?」

アパートの近くの、勤め先で車を停めてもらう。
あたりはすっかり真っ暗。
助手席から降りようとしたところで頭を小突かれた。

「忘れ物」

右手に先日の片方だけの靴。
左手にリボン掛けされた細長い箱。
これって…。

『この箱‥何?』

「お前もまた1つババァに近づいたな。
みちる、オメデト。
年取って嫁の貰い手がないなら俺が貰ってやってもいい。それから。あの日にかえりたいって言ったけど、取り消す。
過去のことはもういい。
これからのお前を手に入れることにしたから」

にやり。
悪いオトコの顔。
海風に乱れた私の髪の毛の先に爽介が口づける。

「―そう簡単に俺から逃れられると思うなよ?」

5/25 19:50

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