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Re:again
第7章 【EAT ME!】
*****
5/25 20:00
頭ではわかってはいたものの、無意識に玄関で葵の靴を探してしまう。
待っていてくれるはずなんてない。
私が置き去りにしてしまったではないか。
葵の悲しそうな顔が胸を締め付ける―
片方だけの靴を靴箱の隅に投げる。
暗闇の中、照明のスイッチを点けると、部屋中がわっか飾りで装飾されていた。
『葵……』
飾り付けの途中で帰ったのだろう。
床に散らばった折り紙を拾い集める。
―葵は私のそばにいてくれたのに。
誕生日を一生懸命祝ってくれようとしたのに‥。
私はあの子を傷つけてばかりだ。
『ごめんね‥葵……
ってなんじゃこりゃぁ……!!!』
―テーブル一面に尋常じゃない量の野菜スティックが縦に乱立していた。
そばにはマヨネーズ、もろみ、塩。
水で戻した高野豆腐の上にブスブスと深く突き刺さった無数の野菜たち。
凄まじい量と洗練された切り方に技術と狂気の片鱗を感じる。
『猟奇的…』
《みちるちゃんお誕生日おめでとう》
葵の大味な置き手紙の横にはかじられた形跡のあるキュウリがぽつん。
“みちるちゃん”の文字に被せるように人参文字で
《スズキ》と、書かれていた。
『ダイイングメッセージ…?スズキって…誰……』
私の苗字はサイトウ。葵はメグロ。
スズキは被害者か。
それとも犯人なのか。
謎は深まる…。
滲んだ跡がある葵の字―
ひとつひとつの字を指でなぞる。
葵の気持ちが少しは読み取られるのではないかと思って。
スズキっていったい誰や…。
乱立した野菜スティックに手を伸ばそうとしたところで、部屋に異変を感じた。
カタカタと物音がする…これはもしやラップ音?!
何か―
何者かがいる!!!!
音の出所を突き止めようと全神経を研ぎ澄ます。
目覚めよシックスセンス―
5/25 20:00
頭ではわかってはいたものの、無意識に玄関で葵の靴を探してしまう。
待っていてくれるはずなんてない。
私が置き去りにしてしまったではないか。
葵の悲しそうな顔が胸を締め付ける―
片方だけの靴を靴箱の隅に投げる。
暗闇の中、照明のスイッチを点けると、部屋中がわっか飾りで装飾されていた。
『葵……』
飾り付けの途中で帰ったのだろう。
床に散らばった折り紙を拾い集める。
―葵は私のそばにいてくれたのに。
誕生日を一生懸命祝ってくれようとしたのに‥。
私はあの子を傷つけてばかりだ。
『ごめんね‥葵……
ってなんじゃこりゃぁ……!!!』
―テーブル一面に尋常じゃない量の野菜スティックが縦に乱立していた。
そばにはマヨネーズ、もろみ、塩。
水で戻した高野豆腐の上にブスブスと深く突き刺さった無数の野菜たち。
凄まじい量と洗練された切り方に技術と狂気の片鱗を感じる。
『猟奇的…』
《みちるちゃんお誕生日おめでとう》
葵の大味な置き手紙の横にはかじられた形跡のあるキュウリがぽつん。
“みちるちゃん”の文字に被せるように人参文字で
《スズキ》と、書かれていた。
『ダイイングメッセージ…?スズキって…誰……』
私の苗字はサイトウ。葵はメグロ。
スズキは被害者か。
それとも犯人なのか。
謎は深まる…。
滲んだ跡がある葵の字―
ひとつひとつの字を指でなぞる。
葵の気持ちが少しは読み取られるのではないかと思って。
スズキっていったい誰や…。
乱立した野菜スティックに手を伸ばそうとしたところで、部屋に異変を感じた。
カタカタと物音がする…これはもしやラップ音?!
何か―
何者かがいる!!!!
音の出所を突き止めようと全神経を研ぎ澄ます。
目覚めよシックスセンス―