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第8章 【紫陽花色の雨】
「抱いていいって言ったんだから抱いてやれば良かったじゃん。
したかったんでしょ?」

睫毛エクステをしているマイコは、すっぴんでも睫毛が長くて羨ましい。
ちょっとつり目気味の瞳に睫毛の影が落ちている。
眉毛がマロなのがいい。美人なのにヘンテコで何だかとっても可愛らしい。

『あまりに綺麗な瞳で私を見上げてたんだよ。
あんな瞳で見つめられたら、自分がいかに汚れているか思い知らさされて怯んだ』

マイコが鼻で笑った。

「‥アンタが思っているほど、葵君はこどもでもなければ純粋でもないかもよ。
葵君の方が一枚上手。
こどもなのはみちるだよ」

『私、9歳年上だよ?
出会った時から大人だったよ?』

マイコがマロ眉をしかめる。
次々と運ばれてくる料理。
せっせと口に運ぶ。

「歳が上だから自分の方が大人だ、なんてとんだ思い上がりだよ。
実年齢と精神年齢は伴わない。
少なくとも、葵君はアンタよりもアンタのことがわかってる」

『そうかな‥葵は“お母さん”みたいだけど…。
無償の愛で優しく私に接してくれるよ。
葵は基本的にいい子だもん。
最近はちょっと何を考えているのかわからない時があるけれど‥』

急に電気が消えた真っ暗な自分の部屋を思い出す。
ひとり暮らしなのだから帰宅時に真っ暗なのは当たり前のことなのに―
誰もいない部屋、葵のいない真っ暗な部屋に帰りたくないと思った。

「無償の愛なんてあると思ってんの?」

串からつくねを外しながらマイコが囁く。
黄身に浸し、私に一口与えた。
舌先にまとわりつくたれの味。ぬるくなったビールでたれの味を消す。
口直しにししとうを頬張る。辛い。

「無償の愛なんて母親が我が子に注ぐものくらいよ。
そして、葵君はアンタの母親じゃない。
今まで散々甘やかされて、ちょっとばかりつれなくされていじけてる。
自分のこともよくわかっていない癖に、寂しいから抱いて欲しいなんて虫が良すぎる」
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