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Re:again
第8章 【紫陽花色の雨】
『私―寂しいの?』
―ひとりでいるのが、寂しかった?
オレがいなくて、寂しかった?
昨夜の夢を思い出す。
葵の切なげな声を。
「そんなこともわかんないんだからアンタは本当にどうしようもないよ」
マイコが生と串もの、焼きナスを追加する。
私も冷やしトマトを追加した。
「葵君のことをいつまでも出会った頃と同じままだと思わないことね。
常にひともものも変化しているんだから」
『爽介がね、私はもう船に乗ったようなものだと言ったの。
これまでと同じところにはいられないって。
爽介たちと再会した時点で、私のこれまでの日常は壊れてるって』
「ふふ。どうやら自分のことをわかってないのはみちるだけみたいよ。
やるわねぇ。爽介君もうまいこと言うじゃない。
さすが、長い付き合いなだけあってみちるのことよくわかってる」
『皆、私のことを“わかってない”って言うんだね。
私は何をわかってないの?』
「甘えんな!
自分でよーく考えること!自分自身で気づかなきゃ意味がない。
ところでアンタ、爽介君のことどうすんの?
弟君のことも」
『‥どうもしないよ。会ってないし。
弟の孝ちゃんからは1回電話があったけど。
世間話だけしてすぐに切ったよ』
「くくくっ。イケメントリオに取り合いされるポンコツみちる。面白い!
もっと乱れ乱れて私を楽しませてね。
他人の不幸は蜜の味!
あ~酒がうまいなぁ」
『面白がらないでよ‥こっちは結構、切実なんだから』
「いやいや、これくらい楽しませてもらわないと。でもね‥みちる。
爽介君兄弟とアンタは幼なじみで長い付き合いかも知れない。
でも、これまで誰が支えてきてくれたか忘れないことね。
大切なことだからもう1回言うよ?
《無償の愛なんてない》
ぼーっとしてると、一番大事にしなきゃいけないモノ、見失うよ」
―ひとりでいるのが、寂しかった?
オレがいなくて、寂しかった?
昨夜の夢を思い出す。
葵の切なげな声を。
「そんなこともわかんないんだからアンタは本当にどうしようもないよ」
マイコが生と串もの、焼きナスを追加する。
私も冷やしトマトを追加した。
「葵君のことをいつまでも出会った頃と同じままだと思わないことね。
常にひともものも変化しているんだから」
『爽介がね、私はもう船に乗ったようなものだと言ったの。
これまでと同じところにはいられないって。
爽介たちと再会した時点で、私のこれまでの日常は壊れてるって』
「ふふ。どうやら自分のことをわかってないのはみちるだけみたいよ。
やるわねぇ。爽介君もうまいこと言うじゃない。
さすが、長い付き合いなだけあってみちるのことよくわかってる」
『皆、私のことを“わかってない”って言うんだね。
私は何をわかってないの?』
「甘えんな!
自分でよーく考えること!自分自身で気づかなきゃ意味がない。
ところでアンタ、爽介君のことどうすんの?
弟君のことも」
『‥どうもしないよ。会ってないし。
弟の孝ちゃんからは1回電話があったけど。
世間話だけしてすぐに切ったよ』
「くくくっ。イケメントリオに取り合いされるポンコツみちる。面白い!
もっと乱れ乱れて私を楽しませてね。
他人の不幸は蜜の味!
あ~酒がうまいなぁ」
『面白がらないでよ‥こっちは結構、切実なんだから』
「いやいや、これくらい楽しませてもらわないと。でもね‥みちる。
爽介君兄弟とアンタは幼なじみで長い付き合いかも知れない。
でも、これまで誰が支えてきてくれたか忘れないことね。
大切なことだからもう1回言うよ?
《無償の愛なんてない》
ぼーっとしてると、一番大事にしなきゃいけないモノ、見失うよ」