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Re:again
第8章 【紫陽花色の雨】
身体が震え歯がうまく噛み合わない。
私の何かが葵の逆鱗に触れたのだ、と悟った。

「―何を期待しているのか知らないけど」

葵は私の身体を畳の上に突き落とした。
おもむろに立ち上がり、今一度私の身体を荒々しく抱き上げる。
そのまま浴室に引き摺り込まれた。
脚がもつれあちこちをぶつけた。―痛い。
思考は凍りつき、何も喋ることが出来ない。

「みちるちゃん、オレはね」

アルコールが抜け切らない身体が鉛のように重い。
真っ直ぐ立っていられない。
葵の瞳を見るのが恐ろしく、うつむいてしまう。
片手で両頬を掴まれ葵を仰ぎ見た。
葵は感情の読めない表情。
歪めた唇が少しだけ笑っているようにも見える。
葵にもたれかかりたいのに、葵は私の身体を冷たい壁に力一杯押しつける。
抵抗出来ずにされるがままになる。
葵がシャワーのコックを捻る。勢いよく水が噴き出す。
頭から冷水を浴びせられた。容赦なかった。

「皆に優しくなんかできない。心が狭いから」

鼻や口に水が入り込み、溺れる。
目の前はただ流水のカーテン。葵の姿も見えない。
酸素を求めてもがく。
開いた口の中にシャワーヘッドが向けられる。
喉の奥に水が流れ込む。
水を飲み、吐き、そのまま溺れ続けた。
口の中に葵の白くて細い指が数本差し込まれ深くえづいた。
濡れて張り付いた洋服が気持ち悪い。

「セックスがしたいなら他所を当たって。
他の男とすればいい。
オレを、他の男といっしょにしないで」

シャワーの水量が弱まった。
‥葵もびしょ濡れだった。
なぜか、今にも泣き出しそうな顔をしていた。
こんな顔をさせてしまったのがただ悲しかった。
私の身体は糸が切れた操り人形だった。
緩慢な動作で葵がシャワーを止めた。
乾いた声が床に落ちた。

「‥あなたって、残酷な女」


そのまま意識を手離した。

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