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絹倉家の隷嬢
第2章 接触
 桜子は自分の人形の一体から鞭を手に取ると、修一の前に立った。
 何をする気だろうか。
 いきなり叩かれでもするのだろうか。
 修一は、来るであろう痛みに備え、体を固くして、下を向き目を思い切りつむった。
 すると桜子の手が修一の手を取り、鞭を握らされるのを感じた。
 修一は思わず目を開けた。

 目の前にしゃがんでいる、紅暗い光に染まった桜子の顔に、妖しげな笑みが浮かんだ。
 呆然と動けない修一を尻目に、桜子は絨毯の上を這って、恥じらうこともなく四つん這いの姿勢をとった。修一の方に尻を向けて高く突き出すと、顔と胸と両腕を床に付けた。

 桜子の全てが丸見えになった。
 桃のように丸い尻の間に、綺麗なしわを刻んでキュッとすぼんでいる肛門と、閉じたあわびを縦向きにしたような、艶めかしい割れ目が見える。紅い光に浮かぶ割れ目は、時おり別の生き物のようにかすかに蠢く。

 嗅いだことのない、かすかな酸っぱい薫りがする。桜子の身体が放っているのだろう。
 初めて見る女性の陰部は、実に奇妙な形をしているのに、実に生臭い匂いがするのに、修一の胸を掻きむしるいつもの黒い渦のようなものが猛烈な勢いでわき上がってきた。

 理屈ではない。なぜか喉が渇き、心臓の鼓動が激しくなる。
 興奮のあまり、倒れてのたうち回りそうになる。
 陰茎が張り過ぎて痛い。
 桜子が言った。
 「その鞭で私をぶって」
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