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絹倉家の隷嬢
第2章 接触
「あっ……もっ……と……もっと頂戴……」
桜子の顔は――
変わっていた。
凛とした上品さはどこかに消え失せ、どう見ても痛みではなく快感の表情を浮かべている。
眉を寄せ、切なげな瞳で、目の下を赤らめ、唇は半開きになっている。
そして――腰と尻を、地面に放置された小魚のようにピクンッ、ピクンッ、と跳ねさせた。
女体というのは鞭打たれて快楽を感じるようにできているのか?
なぜ桜子はこんな淫靡な表情をしているのか?
しかしそんなことを考える理性は、修一の本能が彼方へと突き飛ばした。
修一は、今まで感じたことのない渦が、いや、そんな生やさしいものではなく、火種から一気に燃え上がった焔が身体の内側をあぶってくるような狂おしさを感じた。
修一は鞭を持っている逆の手で、胸に爪を立てゆっくりかいた。
この感覚は何なのだろうか?
吐き出したい。
これをとにかく、吐き出したい。
修一は一層、陰茎が固くそそり立っていくのを自覚した。
修一の頭を、一瞬ためらいの感情がよぎる。女体を鞭打って、苦痛を与えて、その様子を見て欲情している自分は――どうしようもない異常者ではないのか?
しかし、そんな考えはすぐに蒸気のごとく消え失せた。
再び、桜子が言う。
「早く……もっと……頂戴……」
修一は上を向いた。
真紅の明かりに染め上げられた七体の桜子の妖艶な視線が、全て修一に集まっている。修一を見下ろしながら、めいめいが一斉に追い立てるようにささやいてくる。
早く……
もっと……
頂戴……早く……
早く頂戴……もっと……
もっと頂戴……
早く……早く……
頂戴……
頂戴……
頂戴……
頂戴……
頂戴……
頂戴……
頂戴……