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絹倉家の隷嬢
第2章 接触
 修一は、桜子の尻目がけて、めったやたらに鞭を振り下ろし始めた。
 皮膚を切り裂くような音が、部屋中に響く。
 「アギャアアアァァァッ……! ヒギッ!……ギャアッ……!!」
 桜子が狂ったように叫び始めた。
 丸い彼女の尻に、次々と鞭の紅い痕が刻み込まれていく。
 その感触と痕は、より一層修一を突き動かした。

 なぜ打つ時に鞭を通して伝わってくる尻の弾力が自分を燃え上がらせるのか?
 なぜ白い尻に刻み込まれる痕が自分を欲情させるのか?
 分からない。
 分からないが確実に修一の身体が求めている。
 だから、叩く。

 鞭が当たるたびに桜子は痛さで尻を引っ込めるが、また鞭を求めるように尻を突き出してくる。
 その動きがかえって淫猥だ。
 「そう……そうよ……!! いいわ、もっとよ……!! アガアッ……!!」
 桜子は右手を伸ばし、苦しそうに何かをつかむような動きをした。が、五つの爪が絨毯を引っかくだけで何もつかめない。

 桜子の尻に幾本ものみみず腫れができ上がるころ、突然桜子が全身を激しく痙攣させた。
 「アハッアアァァァアアンッッ……!!」
 修一は手を止めた。全身汗だくになって、いつしか肩で息をしていることに気づいた。

 桜子は、床に頬を押し付けたまま、うつろな目で半開きの唇からだらしなく唾液を絨毯に垂れ流していた。
 そして桜子は、かすれるような小さな声をしぼり出した。
 「……やっと……見つけたわ……」
 桜子は、獲物を見つけた豹のような瞳で修一ににじり寄ってきた。
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