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絹倉家の隷嬢
第3章 耽溺
 しかしよく考えれば、この場所であまり大きな声を出してしまうと、さすがに一階に居る使用人たちに聞こえてしまうだろう。だから桜子は自制しているのか?
 この書生の陰茎でも、今の桜子は満足できる快楽を得ているのだろうか?
 「アアッ……!! ア、ウゥッ……ハアアッ……!!」
 少しずつ桜子の声は大きくなっている。

 自制していないのか、自制しきれていないのか。
 一階の向こうの方には明かりが点いている部屋もある。
 さすがに気が気でなくなってきた。

 修一は抑えた声で言った。
 「桜子さん、家の人に聞こえてしまいますよ!」
 桜子は三河に肉壷を突かれながら、修一の方を向いて言った。
 「私が……何をしていて、も……アアッ……お父様、お母様には……ハッ……誰も、何も言わない……わ……ンンッ……」

 三河がそれに続けて言う。
 「……貴様がここ来ている時の、ハァ、ハァ……お嬢様の声なんて、……皆に聞こえている」
 修一はそのことを考えたことがないでもなかった。
 いくら広い屋敷とはいえ、鞭打ちであれだけ叫べば当然丸聞こえだろう。
 しかし今の桜子の話からすれば、使用人たちに気兼ねする必要など全くなかったのだ。

 三河が言う。
 「屋根に、ハッ……金物が引っかかる音だって、クッ、皆毎回聞いていたんだぞ」
 修一は一瞬うろたえた。
 誰にも知られずに壁を登る腕があるんだと天狗になっていたことは、己の未熟さゆえの思い上がりだったのだ――しかし桜子が全てを口止めしていたという事実が、修一にそのことを平常心で受け止めさせてくれた。
 修一はすぐに冷静に戻ることができた。

 「アンッ……でもね三河……そこの角から、アアン……突然お父様が現れたら?」
 桜子が妖しく笑って言った。
 三河の動きが止まる。
 「いや……その……それは……」
 「簡単よ……アウンッ……あなたに、一方的に、犯されたと言うわ」
 三河は慌てて肉棒を抜いた。
 桜子はさらに笑った。
 「もう、意気地のない男ね……修一の方が余程肝が据わっていてよ?」
 その言葉にいらつくように、三河はもう一度、桜子の蜜液にまみれた肉棒を突き刺した。
 「アンッ……ンアッ……」
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