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絹倉家の隷嬢
第3章 耽溺
 壁に両手を突いて肉棒を入れられている桜子は、確かに快楽を感じてはいるだろう。
 しかし修一の知っている、快楽を享受する桜子の様子は――
 こんなものではない。
 大声や物音も何も気にする必要がないならば――
 修一はランプを地面に置くと、壁を登るときに使った縄を拾ってその先端から鈎を外した。
 そして二人に近寄った。

 突然修一は桜子の顔に縄を掛けた。
 「邪魔するな!」「いいの!!」
 三河の言葉をすぐさま桜子がさえぎる。

 修一は慣れた手つきで手早く桜子に縄を噛ませ後頭部で結び、彼女を後ろ手にしてみるみる間に腕と上半身をまとめて縛ってしまうと、そこから分かれさせた二本の縄を、三河を左右から挟むように後ろに回した。そして三河の少し後ろに立ち、その二本の縄を左右各々の手で握って引っ張った。

 猿轡された桜子の身体が引っ張られ、壁から離れる。
 背中が反って曲線を描き、顔がやや上向きになり、少し尻を突き出した格好で後ろ手に縛られて犯される形になった桜子の身体は、下から照らされるランプの光の中で、匂い立つほどの妖艶さを放ち始めた。

 やはり桜子の身体は、縄で縛り上げた方が――
 美しい。

 修一は、さらに縄をグイッと引いた。
 縄が桜子の身体に喰い込み締め付ける。
 「アアアァァァアアア……」
 桜子がひときわ大きな声で悩ましげな情欲の印を放つ。
 三河は動きが止まっている。にもかかわらず、猿轡を通した桜子の声はどんどん大きくなる。
 「……アハアッ……! ウアッ……ひゅごおい……イイ……アアァァアアァア……!」

 「動いたらどうですか? 三河さん」
 修一は三河の背後から言った。
 三河は振り向き修一を見て舌打ちしたが、前に向き直ると腰を動かし激しく桜子を犯し始めた。
 「ンアアアッ!! ウアアアアッッッ!! フグッッッ!!」
 桜子の喘ぎ声はさらに大きくなった。
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