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絹倉家の隷嬢
第4章 開錠
 男性は優しげで柔らかい表情で、扉枠に前腕を掛けて言った。
 「私に構わず続けてくれ給え」
 「貴様は誰だ?」三河は言った。
 「君こそ誰かね?」
 「お兄様!!」
 突然桜子が叫んだ。
 お兄様――?

 修一は、桜子に兄がいることは知らなかった。桜子も教えてはくれなかった。
 それにしても、なぜ彼は突然、今、しかも施錠しているはずのこの部屋に現れたのか?
 男性はゆっくり扉を閉めて言った。
 「ロンドンの土産話を持ってきたのだが、お前の方が面白いものを用意してくれていたとは」
 修一は桜子を見た。
 かすかに――
 震えている。

 男性は優しげな表情に、ほほ笑みを加えた。
 「私は絹倉総太郎だ」
 そう名乗った男性は全裸の三河に歩み寄った。
 「……名乗りもせず私を貴様呼ばわりした君は何者かな?」
 三河は慌てて両の手で股間を隠し、頭を下げた。
 「お目に掛かったことがないとはいえ、大変なご無礼を働きました! 自分は去年からお世話になっております、帝大生で書生の三河武彦……」

 突然三河は前のめりになった。
 総太郎の拳が、三河の腹を下から突き上げめり込んでいた。
 修一の目には、総太郎の動きが速すぎて見えなかった。何が起こったのか分からなかった。
 三河はうなりながら床にうずくまった。
 体格の良い三河をこんな風にさせるには相当な腕力が必要だ。総太郎の華奢な体のどこにそんな力があるのか。

 総太郎の顔は相変わらずほほ笑んでいた。
 しかし、その目は射抜くような鋭い光が宿っているように修一には見えた。
 総太郎は修一の横を無視するように通り過ぎ、全裸でスツゥルに拘束されたままの桜子の前にしゃがみ込んだ。
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