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絹倉家の隷嬢
第4章 開錠
 総太郎は真下にある桜子の顔を見下ろした。
 「……桜は、桜は! ずっとずっと、ずっとずっとずっと……お兄様の責めを待ち続けておりました……いつお受けできるか、分からないまま……ずっとずっと、お兄様をお待ちしておりました……!」

 桜子の顔は――今まで見たことのない顔だった。
 凛とした桜子でもなく、修一の縛りや責めに欲情している桜子でもない。
 何者の言うことも聞き入れない堂々とした桜子ではない。
 『畏れ』と『服従』で満たされている。
 修一と同じ行為を受けているが、その本質が違う。
 だから、表情が違う。
 これまで見ていた顔が女豹ならば――今は牝犬だ。

 総太郎は靴のまま、桜子の横顔を踏みつけた。
 踏みつけられながらも桜子は言葉を続けた。
 「フグ……ン……欲しいのは……! ウブッ……お兄様の代わりではなく……アグ……気持ちを紛らわす日々ではなく……!」

 桜子の言葉に、修一の中でかろうじて張り詰めていた何かが切れそうになっている。
 手で耳を塞ぐべきかどうか迷った。しかし桜子の声をその程度で遮断することなどできないだろう。

 「……お兄様だけが欲しかったのです、桜は!! ングッ……お兄様だけが、欲しくて……フブッ……本物のお兄様だけが!! だから責めて!! 桜を責めて!! 責めてもっともっともっともっともっと!! 責めてもっとお兄様アアアッ!!」
 修一の中で、張り詰めていたものが切れた。
 そして七人の桜子は二度と修一を見てくれることはなく、桜子と総太郎だけに視線を集め続けた。

 総太郎は相変わらず表情を変えないまま、スツゥルの脚を持って上下逆に起こし、桜の身体を仰向けにさせる。
 桜子はひっくり返された亀のように、両手両足を上に上げ、濡れそぼった股間を丸出しに開いたあられもない姿になった。

 総太郎は鞭で桜子の横尻を打った。
 「ヒアアアアアァァァッ……!」
 桜子の身体が左右に揺れて、スツゥルごと倒れそうになる。
 総太郎は倒れないよう桜子の片方のふくらはぎをつかんだまま、彼女の横尻と太ももを打ち続けた。
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