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絹倉家の隷嬢
第5章 歯車
(2)
戻ってきた総太郎はガウン姿だった。
震えながら総太郎を見る桜子の顔には――
一旦は消えていた『畏れ』と『服従』の色が戻り、その瞳は潤んでいた。
総太郎は三河の前を通り過ぎ、そして修一の前も通り過ぎようとした。
「愉しいですか?」
修一が総太郎を見上げて言った。
総太郎の足が止まる。
総太郎はほほ笑みをたたえているが、下から弱い明かりで照らされるその顔は、妖気のようなものが漂っていた。
「意外かつ良い質問だ……私は愉しんでなどいない。愉しいと思ったこともない」
総太郎は上から修一の髪をわしづかみにした。
そしてしゃがんで、修一の髪を後ろに引いた。修一の顔が無理矢理上を向く。総太郎が顔を近づける。
「……君とは違うのだ。私はsadistではない。だが仕方なかったのだ」
総太郎はそう言って桜子の方を見た。
桜子は、休むことなく仕事を続ける縄に責められ続け、未だ身体を震わせている。
「……ンアッ……ハァァ……ン……」
総太郎は修一の方に向き直った。そして跳ね続けている修一の陰茎を右手で握って皮をむき、素早く上下にしごき始めた。
「ングウウウゥゥゥ……」
修一はうなり声を上げた。
「あの可愛い我が妹の身体を鎮めてやるには、責める以外方法がなかったのだよ」
総太郎の手の動きがさらに速く激しくなっていく。
「私が決して嘘をつかない質であることを付け加えておくが……桜は救われたんだ。それは私が桜の本性に気づいてやれたからだ」
修一は言葉を返そうとしたが、舌打ちが精一杯だった。そして全身が細かく震え出した。
「……私は君と違うのだよ、少年」
修一は陰茎から勢いよく白濁液を噴き出した。総太郎の左手の手のひらがそれを受け止める。
修一は、突然涙が勝手にあふれ出し、頬を伝うのを感じた。