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青に染められて
第4章 勝負と奉仕
無言で睨み付ける菜月をニヤニヤと見下ろす男

醜態を晒したあげくの屈辱的な敗北を受け

菜月はズタズタだ

睨み付けていた目からとめどなく涙が流れていく

「・・う~・・ぐっ・・帰って!だいっっっきらいっ」

玄関を思いっきり閉めようと試みるも呆気なく静止させられる

「ぐっんっ・・もうっ!気分いいでしよ!?私が今どんなっ・・思いかっ・・知らないくせにっ!・・うぅ・・離して放してはな~し~て~え~!」

ぐしゃぐしゃに涙で濡れた顔で力いっぱい玄関を引く

「俺を本気にさせるくらいの力量だったぞ」

「それがなによっ・・!ほんとむかつくっ・・勝って当たり前って顔してっ」

「まぁそうだな。現に勝ったし。」

「帰って帰ってかえってえええ!」

「却下」

ばんっと勢いよく開いた扉に吹き飛ぶように男の胸の中へ倒れ込む

しっかりと受け止められそのまま男が部屋に入り込む

玄関先に置いていた大きなダンボールを抱えて

泣きはらした顔で男の侵入を目で追った

「ここでいいか?」

「・・・うん。」

「ちゃんと食えよ。明日の弁当楽しみにしてるからよ。じゃあな」

「帰るの?」

「帰って欲しいんだろ」

「あっ・・当たり前でしょっ・・帰って」

「どっちだよ。あっ・・そうそうお前の泳ぎに敬意を表して鶏肉は持ってきてやった。ありがたく唐揚げにしろよ」

「なにそれ。ほんと馬鹿にしてるでしょ」

深いため息を吐くと腕を組んで俯いた

頭をぐしゃぐしゃと撫でられ男は玄関から出ていく

「鍵かけ忘れんなよ」

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