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青に染められて
第5章 アイスと部屋と
「ひゃあ~やだヤダ離してっ・・どこ行くのっ・・なんで?やだやだっ・・なんで~?」

慌てて足を踏ん張る菜月

アスファルトの上でローファーの踵が削れる

「黙ってついて来い」

「なんで~!?」

連れ去りと言うよりは、男女のじゃれあいに見える

菜月の抵抗に痺れを切らしたのか、軽々と抱き上げお姫様だっこをした

びっくりした菜月は大人しくなる

「なんだ最初からこーすりゃいーのか」

ひとり楽しげに納得し、大股で速い歩幅で進んでいく

菜月のアパート近くの住宅街の一角に経つ一軒家

表札には青峰の文字

ぼーぜんと表札を見送ると片手だけで菜月を支え

黒い玄関扉の鍵を素早く解錠し、玄関のたたきに菜月のローファーをポイポイ放ると2階へ続く階段へあがった
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