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浮気断定社
第9章 依頼人 瑠璃
一時間ほどベティのリビングでテレビを見ながら待っていると

美女が現れた。

「お!見事に化けたわね。
 妖怪変化」

麗子がからかう。

「ったく。
 美人を美人と呼べないブスが何言ってるの?!」

この超のつくほど美人な麗子に向かってブスと言えるベティは何者?!

瑠璃はケラケラと笑う麗子と不機嫌なベティを見比べていた。

「よーし、行こう♪」

明らかにテンションの高い麗子に引っ張られ瑠璃とベティは麗子の赤いマセラティに乗って買い物へと向かった。

「ベティ、どこ行く?
 手っ取り早く銀座?」

「青山よ。
 というか神宮前ね。
 表参道抜けて原宿がいいわ」

「了解」

麗子のマセラティは軽快なエンジン音を響かせて麻布から六本木を抜けて青山通りへと入っていった。

表参道近くの駐車場に止める。

3人、否、とにかくド派手な二人は人目を引く。

そのなかで一番若い瑠璃が一番地味で目立たない。
おずおずと歩いていくと
二人に両腕を取られる。
長身な二人にまるで引きずられているようだ。

ベティは顔馴染みの店を次々と入っていく。

瑠璃を試着室に押し込み服を抱えては
瑠璃を着せ替え人形のようにした。

「あんた、一見地味だけど
 見せようによっちゃ物凄い雰囲気あるわね。

 もう数年したら美人の仲間入りよ。
 楽しみね」

ベティはバチンと瑠璃にウインクした。

「そ、そうですか?」

「なによ、私の目を疑ってるの?!」

ベティの迫力に圧倒される。

「いえ...ありがとうございます」

瑠璃はおずおずと答えた。
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