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浮気断定社
第9章 依頼人 瑠璃
麗子は近くのカフェで仕事をしている。

上から下まで新品の洋服に着替え
両手一杯に紙袋を抱えた瑠璃が
早足のベティのあとを必死についていく。

振り向いたベティは

「あんた、もうちょっと優雅に歩けないわけ?!
 私のコーディネイトの服着て無様に歩くの
 やめてくれない?!」

「すっ すみません」

瑠璃は息を切らせながら返事をしていた。

麗子が笑っているのが見える。

「ちょっとベティ
 瑠璃ちゃんはまだ高校生なの。
 しかも○○女学院のお嬢様よ。
 勘弁してあげなさいよ」

笑いながら瑠璃に近づき瑠璃の荷物を持ってくれる。

「お嬢様?!
 だったらもっと優雅な身のこなしをしてほしいものね」

ベティは手厳しい。

「もうそれくらいにしてあげて」

麗子がベティをなだめる。

「あー 喉乾いた。
 ちょっとおねえさん、
 スクリュードライバーちょうだい」

ベティが店員を呼んだ。

「瑠璃は?なに飲むの?」

「あ、じゃあオレンジジュースを」

「おねえさん、オレンジジュースもお願い」

ベティはドカリとテラス席に座り込んだ。

「まったくおっさんね。
 ベティ足広がってるわよ」

ベティは麗子を見上げた。

「まったく休日にこんなにコキ使われて
 やってらんないわよ」

「ありがとう。
 ベティにしか頼めなかったから」

ベティは視線をそらした。

「なによそれ。
 調子狂うじゃない」

ベティはまんざらでもないようすだった。
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