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浮気断定社
第9章 依頼人 瑠璃
数日後、瑠璃は麗子と一緒に弁護士ビルの裏手に来ていた。
階段を登り重い扉を開く。
と、ものすごいホコリの塊に覆われた。
「ゲホ ゲホ...」
「ゴホ ゴホ...」
「なんなの...」
麗子が眉間にシワを寄せる。
「おー!いいところに来た。
手伝ってくれ」
なかでは洋ちゃんが頭と口をタオルで覆って
強盗のような格好で掃除をしていた。
「麗子の親父さんがこの部屋好きに使っていいって言ってくれてさ」
「ここ倉庫よ。
しかも父が開業したときのまんまだから
すごいことになってるんだけど...」
「なんか雰囲気あっていいだろ。
このスチールの机とか書類棚とか。
この合皮のソファーなんかヒビ入ってて
松田優作が出てきそうだよ」
洋ちゃんは楽しそうだ。
「洋ちゃん、まがりなりにも来客用なんだから
ソファーくらい新調しなさいよ」
麗子が口を押さえて呆れた口調で洋ちゃんに言う。
「いいじゃねーか。
おしゃれな事務所に行きたきゃいけばいいさ。
ここは訳アリの人間が最後に訪ねる探偵事務所なのさ」
「あっそ」
「瑠璃も手伝え」
そう言って雑巾を投げられた。
「はい」
瑠璃は黙々と掃除を始めた。
麗子も文句をいいながら手伝っている。
階段を登り重い扉を開く。
と、ものすごいホコリの塊に覆われた。
「ゲホ ゲホ...」
「ゴホ ゴホ...」
「なんなの...」
麗子が眉間にシワを寄せる。
「おー!いいところに来た。
手伝ってくれ」
なかでは洋ちゃんが頭と口をタオルで覆って
強盗のような格好で掃除をしていた。
「麗子の親父さんがこの部屋好きに使っていいって言ってくれてさ」
「ここ倉庫よ。
しかも父が開業したときのまんまだから
すごいことになってるんだけど...」
「なんか雰囲気あっていいだろ。
このスチールの机とか書類棚とか。
この合皮のソファーなんかヒビ入ってて
松田優作が出てきそうだよ」
洋ちゃんは楽しそうだ。
「洋ちゃん、まがりなりにも来客用なんだから
ソファーくらい新調しなさいよ」
麗子が口を押さえて呆れた口調で洋ちゃんに言う。
「いいじゃねーか。
おしゃれな事務所に行きたきゃいけばいいさ。
ここは訳アリの人間が最後に訪ねる探偵事務所なのさ」
「あっそ」
「瑠璃も手伝え」
そう言って雑巾を投げられた。
「はい」
瑠璃は黙々と掃除を始めた。
麗子も文句をいいながら手伝っている。