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第9章 依頼人　瑠璃

「さて、探偵さん。
　依頼した調査の方はどうなってるの？」

洋ちゃんは覚めた目で麗子を見た。

「今日は引っ越し。
　開業祝いだ。
　いきなり仕事させんなよ」

洋ちゃんは麗子に何か目で訴えた。

「まったく、怠け者の探偵だこと。
　じゃ、その話は明日にしましょうか」

「そうこなくっちゃ」

洋ちゃんは麗子が払うとわかってか
とんでもない量の出前を頼んでいた。

呆れた麗子が表へ通じる扉をあけ
弁護士たちを呼んできた。

狭い室内は人でごった返し
さながらメジャーなショップのオープンパーティのようになっていた。