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浮気断定社
第9章 依頼人 瑠璃
洋輔は地方都市のホテルの前にいた。

ホテルから出てきた女性に声をかける。

「日野佳子さんですよね」

女は疑り深い目を洋輔に向けた。

「探偵やってます、香川といいます」

洋輔は女に名刺を差し出した。

「秘密探偵社?」

女は声に出しさらに疑り深い鋭い目を向ける。

「瑠璃さんを保護してます」

女の顔が一瞬変わる。

「それで?」

「ちょっとお話しいいですか?」

女はチラリと洋輔を見て目をそらした。

「これから舞台があるの。
 
 22時過ぎにもう一度来て。
 部屋番号は1608よ」

そして女はタクシーに乗り洋輔の前から消えた。


洋輔は細く笑む。

ーーどうやら
  "いらない子"ではなさそうだな


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