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浮気断定社
第9章 依頼人 瑠璃
麗子は着々と裁判の準備を始めていた。
目的は父親から慰謝料をとることだった。
慰謝料を取り、瑠璃が経済的に自立し
父親から独立できる環境を整えることが目的だった。
医師の診断書は用意できた。
警察にも暴行の被害届は提出した。
しかし...
性的被害について
若い瑠璃にとってそれを晒して
公の場で根掘り葉掘り聞かれることのほうが
屈辱的かもしれない。
彼女の将来にも影響が出る可能性は
否定できない。
かといって1度の暴行では
接近禁止が関の山で
彼女が自立するだけの慰謝料を取ることは不可能だろう。
「はぁ~」
麗子は深夜の事務室で大きく溜め息をついた。
トントン
扉をノックする音がした。
「ちょっといいかしら?」
入ってきたのはベティだった。
「どうしたの?」
麗子はここへ滅多に来ることのないベティを見つめた。
「今日ね、日野佳子と仕事したの。
彼女、あなたに協力したいって」
「え?!」
突然の話に麗子は怪訝な顔をした。
「詳しい話はしなかったんだけど
弁護士に手助けしてもいいって言っといてくれって
なぜか知らないけど
あなたが瑠璃の弁護人で
私があなたの友人だってこと知ってたわ」
ベティは応接セットに座り
置いてあったチョコレートを口にいれた。
「そうなの?」
「ええ。
ただし、裁判に関わることはしないって。
証人にもならない。
それでも良ければってことだったわ
それからね、どこで聞き付けたのか
オフィス綾のタレントたちも協力したいって
言ってるの」
ベティは麗子を見つめた。
「本当?」
麗子のなかでモヤモヤしていたものが
線となって結び付き作戦が組み立てられていく。
「ありがとうベティ。
今回もいけそうよ」
「よかった。
いつでも動けるようにしておくから
連絡して」
ベティはバッサバサの付け睫で
麗子にウインクをして出ていった。
目的は父親から慰謝料をとることだった。
慰謝料を取り、瑠璃が経済的に自立し
父親から独立できる環境を整えることが目的だった。
医師の診断書は用意できた。
警察にも暴行の被害届は提出した。
しかし...
性的被害について
若い瑠璃にとってそれを晒して
公の場で根掘り葉掘り聞かれることのほうが
屈辱的かもしれない。
彼女の将来にも影響が出る可能性は
否定できない。
かといって1度の暴行では
接近禁止が関の山で
彼女が自立するだけの慰謝料を取ることは不可能だろう。
「はぁ~」
麗子は深夜の事務室で大きく溜め息をついた。
トントン
扉をノックする音がした。
「ちょっといいかしら?」
入ってきたのはベティだった。
「どうしたの?」
麗子はここへ滅多に来ることのないベティを見つめた。
「今日ね、日野佳子と仕事したの。
彼女、あなたに協力したいって」
「え?!」
突然の話に麗子は怪訝な顔をした。
「詳しい話はしなかったんだけど
弁護士に手助けしてもいいって言っといてくれって
なぜか知らないけど
あなたが瑠璃の弁護人で
私があなたの友人だってこと知ってたわ」
ベティは応接セットに座り
置いてあったチョコレートを口にいれた。
「そうなの?」
「ええ。
ただし、裁判に関わることはしないって。
証人にもならない。
それでも良ければってことだったわ
それからね、どこで聞き付けたのか
オフィス綾のタレントたちも協力したいって
言ってるの」
ベティは麗子を見つめた。
「本当?」
麗子のなかでモヤモヤしていたものが
線となって結び付き作戦が組み立てられていく。
「ありがとうベティ。
今回もいけそうよ」
「よかった。
いつでも動けるようにしておくから
連絡して」
ベティはバッサバサの付け睫で
麗子にウインクをして出ていった。