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浮気断定社
第9章 依頼人 瑠璃
麗子は裁判所に父親に対する
「接近禁止命令」の申し立てを起こした。

その数日後...

「瑠璃の担当弁護士を呼べ!」

受付にものすごい剣幕の父親が現れた。

「私が瑠璃さんの担当弁護士の上條麗子です」

そういって父親の前に現れた。

「お前か。
 勝手なことばかりしやがって。
 瑠璃を転校させたのもお前か。
 
 なんだこれは!」

父親は裁判所からの接近禁止命令の書面を麗子の前にかざす。

「瑠璃さんに対する暴行です。
 これ以上彼女に対する暴力は許しません」

麗子は努めて冷静に対応する。

「暴行?
 確かに一度は殴った。
 だが俺が瑠璃に手をあげたのはあのときだけだ。
 それを接近禁止命令だと?
 ふざけるな!」

「そうですね...
 暴力は一度きりかも知れませんが
 それ以外のもっと大きな犯罪を犯しているのでは?」

麗子は静かに詰め寄る。

父親の顔が変わった。

「瑠璃が言ったのか?」

「瑠璃さんは何も。

 ただ、先週痴漢で捕まったTV関係者の余罪を追求していたところ、あるタレント事務所の女性が性的暴行で訴えを起こしました。

 どうやらこのディレクターさん相当嫌われていたみたいね。他の事務所のタレントさんもこぞって訴えを起こし始めたの。完全に潰しにかかっているわ。
 それで警察も本腰をいれて追求を始めたところ瑠璃さんへの暴行も自供したらしいわ。
 警察は瑠璃さんへの暴行は他のタレントたちとは違う。わかるかしら?
 別件で本格的に動くそうよ。
 彼女は一般人で未成年。
 罪は重いわね。
 もちろんあなたの名前も出ています。

 どうしますか?」


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