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浮気断定社
第9章 依頼人 瑠璃
父親はギリギリと奥歯を噛んでいる。
「瑠璃はなんと言っている」
「瑠璃さんは訴えを起こす構えでいます。
ディレクターではなく
あなたを」
「瑠璃が?
本当か?
自分の将来が滅茶滅茶にされるのをわかっているのか?」
麗子は冷たい目で父親を見つめた。
「それでも、あなたを塀の中へ入れたいと。
彼女の人生を滅茶滅茶にしたのは
あなたよ」
父親は麗子を睨み付けた。
「あんたの入れ知恵か」
「まさか。
彼女の意思です。
彼女は自分の足でここへやって来ました。
あなたに殴られた日に」
「くそっ」
父親は拳を握った。
「そういうわけですので
今後一切彼女の身辺に近づかないようお願いします」
父親は口端に笑みを浮かべた。
「しかし、俺は父親だ。
親の許可もなく勝手に学校を変えたり
瑠璃を隠すなどあり得ない。
こちらがあなたを訴えますよ」
麗子も薄い笑いを返す。
「残念ながらあなたに親権はありません。
すべて親権者のお母様の許可は得ています」
「何だって?
佳子が許可したのか」
父親はさも驚いた顔をした。
「ええ」
「それこそあり得ん」
「でしたら直接お聞きになって下さい。
今日のご用件はお済みでしたら
お引き取り願えますか?」
父親は入口の観葉植物を蹴り飛ばし
事務所から消えた。
瑠璃が訴えを起こすなど言ったことはないが
これくらいの脅しは問題ないだろう。
麗子は怒りを露にした父親の立ち去る姿を見つめていた。
「瑠璃はなんと言っている」
「瑠璃さんは訴えを起こす構えでいます。
ディレクターではなく
あなたを」
「瑠璃が?
本当か?
自分の将来が滅茶滅茶にされるのをわかっているのか?」
麗子は冷たい目で父親を見つめた。
「それでも、あなたを塀の中へ入れたいと。
彼女の人生を滅茶滅茶にしたのは
あなたよ」
父親は麗子を睨み付けた。
「あんたの入れ知恵か」
「まさか。
彼女の意思です。
彼女は自分の足でここへやって来ました。
あなたに殴られた日に」
「くそっ」
父親は拳を握った。
「そういうわけですので
今後一切彼女の身辺に近づかないようお願いします」
父親は口端に笑みを浮かべた。
「しかし、俺は父親だ。
親の許可もなく勝手に学校を変えたり
瑠璃を隠すなどあり得ない。
こちらがあなたを訴えますよ」
麗子も薄い笑いを返す。
「残念ながらあなたに親権はありません。
すべて親権者のお母様の許可は得ています」
「何だって?
佳子が許可したのか」
父親はさも驚いた顔をした。
「ええ」
「それこそあり得ん」
「でしたら直接お聞きになって下さい。
今日のご用件はお済みでしたら
お引き取り願えますか?」
父親は入口の観葉植物を蹴り飛ばし
事務所から消えた。
瑠璃が訴えを起こすなど言ったことはないが
これくらいの脅しは問題ないだろう。
麗子は怒りを露にした父親の立ち去る姿を見つめていた。