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第9章 依頼人　瑠璃

「さあ、一件落着ね♪」

ベティが嬉しそうに瑠璃の手を取った。

「ありがとう、ベティさん」

瑠璃はベティを見つめた。

「あらやだ、私じゃないわよ」

そう言って美女たちを振り向く。

「瑠璃さん、いままで辛い思いをさせてごめんなさい」

宮野はるかが瑠璃に頭を下げるとその場にいた美女たちが一斉に頭を下げた。

「え?!あ...」

瑠璃は驚きで言葉がでない。

「瑠璃さんの学費や生活費は私たちがこれからずっと面倒見ますから安心して」

宮野はるかが微笑んだ。

「瑠璃、事務所は私が引き継ぐから大丈夫よ。
　オフィス綾はオフィス瑠璃として新たに踏み出すわ。
　みんなあなたのこと忘れない。
　でもあなたは忘れていいわ」

「お母さん...なんで...」

「遅くなってごめんなさいね。
　ベティに叱られたの。
　愛する人の子供をなんて扱いするんだって」

母は少し照れ臭そうに笑った。

「そうよ。
　私なんてどんなに愛しても子供なんて産めないのよ。
　神様からもらった女の最上級の幸せをないがしろにするなんて許せない！
　佳子さんが幸せにしないなら私が瑠璃の親になるって言ったのよ」

ベティはプリプリと怒っている。