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浮気断定社
第9章 依頼人 瑠璃
洋輔は駐車場に停めてある車に瑠璃を乗せてアクセルを踏んだ。

人通りの少なくなった街にネイビーのアストンマーチンが駆け抜けていく。

「洋ちゃん、何でそんなに急いでいるの?」

瑠璃が不思議そうに聞く。

「0時の鐘が鳴る前にシンデレラを送り届けないと
 俺は魔女から大目玉を食らうって訳だ」

瑠璃は首をかしげて不思議そうな顔をした。

「瑠璃の気にする話じゃねぇ」

洋輔は瑠璃の頭を撫でた。

「よし!23:50
 魔女にシンデレラは鐘の鳴る前に送り届けたって伝えてくれ」

「??ありがとう」

瑠璃はドアに手をかけた。

「あ、瑠璃。
 お前は明日同じクラスの佐伯ってヤツから告白される。多分な。
 まあ取り合えず難しいこと考えずに付き合ってみろ
 結構いいヤツみたいだからな」

洋輔は瑠璃にウインクした。

「告白?!付き合う?
 なにそれ」

瑠璃は眉間にシワを寄せて洋輔を見る。

「あ、でもその男に求められてもすぐに応じるなよ。
 ヤりたい盛りの男だからな。
 sexばかりになっちまったら
 お互いに良いことないからな」

そして瑠璃を見つめる。
 
「ま、ヤりたくなったら俺のところに来い
 いつでも抱いてやるよ」

洋輔が極上の色気のある声で囁く。

「洋ちゃん...さっきから何言ってるのか
 まったく分からないんだけど...

 洋ちゃんは占い師?」

瑠璃は首をかしげる。

「馬鹿いえ。
 俺は予言者じゃねえ

 探偵さ」

そして瑠璃を抱き寄せキスをした。

「瑠璃は充分いい女だ。
 自信を持て」

瑠璃は呆然と車を降りる。
洋輔は「またな」とエンジン音を響かせて走り去った。
 
瑠璃はその姿をボーッと見ていた。
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