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浮気断定社
第9章 依頼人 瑠璃
呆然と目を見開き立ちすくむ瑠璃の目から
涙があとからあとから零れる。

「瑠璃、お誕生日おめでとう」

麗子が優しく笑う。

「ほんとはね子供たちも待ってたんだけど
 さすがにもう遅いから寝かせたの。
 みんな怒ってるからまた明日もやるわよ」

と女将が笑う。

「あの...あの...」

瑠璃はなんといっていいかわからなくて
言葉がつまる。

「瑠璃、ありがとうって言えばいいだけよ」

ベティが囁いた。

「ありがとう。
 みんな、ありがとうございます。

 私、誕生日を祝ってもらったの初めてで...」

瑠璃は涙でその先の言葉が言えない。

「あら、私たちが初めて?!
 それはラッキーね。
 じゃあ、最高の誕生日にしてあげる
 今日は寝かさないわよぉ

 さあ、みんな待ちに待った乾杯よ♪
 グラスの用意はいい?」

ベティがみんなに声をかける。

「はい、瑠璃ちゃんはジュースね」

女将がグラスを差し出した。

「じゃあ、いくわよぉ♪
 瑠璃のセブンティーンに♪

 かんぱーい!!」

「かんぱーい!!」

みんなの声が重なり拍手が沸き起こる。

瑠璃はもう号泣していた。

「瑠璃、生まれてきてくれてありがとう。
 私たちあなたに出会えて幸せよ」

麗子が瑠璃ににっこりと微笑む。

瑠璃の初めての誕生日は瑠璃にとって最高に嬉しい日だった。

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