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浮気断定社
第9章 依頼人 瑠璃
瑠璃は子供の頃からの癖でなるべく人と関わらないようにしていた。
特に男子は幼稚園から女子校だったせいでどう接していいのか分からない。
なるべく目立たないように生活していた。
自然誰かの名前を覚えることもしていなかった。
だから瑠璃は佐伯という名前にもピンときていなかった。
「綾瀬さんてあそこにすんでるの?」
佐伯は瑠璃が出てきたマンションを指差す。
「え?!あ、うん」
正直シェルターにいることは知られたくなかった。
「実はね転校してきた日から綾瀬さんのこと見てたんだ。
俺んちあのマンションの向こうにあるんだけど。
毎朝子供たちと楽しそうに通学してる綾瀬さん見て、なんかいい子だなって思ってた」
佐伯は恥ずかしそうに下を向いた。
「あのさ、これから朝一緒に学校行かない?」
佐伯は意を決したように顔をあげて瑠璃を見つめてそう言った。
「え?!」
瑠璃は驚いて佐伯を見る。
「あ、いや。ごめん。
なんだ...そう、友達になってよ」
佐伯はにっこり笑う。
「うん...
でも、わたし男の子の友達っていなくて...」
「あ、知ってる。
三宅に男子が苦手って言ってたの聞いたから」
「え?!」
三宅とは由美のことだ。
「ずっと女子校だったから男子との付き合い方が分からないって言ってたの聞いたことがあって」
「あ、そうなんだ。
ごめんね」
「ちがうよ。そうじゃなくて。
綾瀬さんが嫌じゃなければ俺を男子の友達第一号にしてよ」
佐伯が慌てて言った。
「え...うん。
いいけど」
「ほんと?」
佐伯はパッと明るい笑顔になった。
特に男子は幼稚園から女子校だったせいでどう接していいのか分からない。
なるべく目立たないように生活していた。
自然誰かの名前を覚えることもしていなかった。
だから瑠璃は佐伯という名前にもピンときていなかった。
「綾瀬さんてあそこにすんでるの?」
佐伯は瑠璃が出てきたマンションを指差す。
「え?!あ、うん」
正直シェルターにいることは知られたくなかった。
「実はね転校してきた日から綾瀬さんのこと見てたんだ。
俺んちあのマンションの向こうにあるんだけど。
毎朝子供たちと楽しそうに通学してる綾瀬さん見て、なんかいい子だなって思ってた」
佐伯は恥ずかしそうに下を向いた。
「あのさ、これから朝一緒に学校行かない?」
佐伯は意を決したように顔をあげて瑠璃を見つめてそう言った。
「え?!」
瑠璃は驚いて佐伯を見る。
「あ、いや。ごめん。
なんだ...そう、友達になってよ」
佐伯はにっこり笑う。
「うん...
でも、わたし男の子の友達っていなくて...」
「あ、知ってる。
三宅に男子が苦手って言ってたの聞いたから」
「え?!」
三宅とは由美のことだ。
「ずっと女子校だったから男子との付き合い方が分からないって言ってたの聞いたことがあって」
「あ、そうなんだ。
ごめんね」
「ちがうよ。そうじゃなくて。
綾瀬さんが嫌じゃなければ俺を男子の友達第一号にしてよ」
佐伯が慌てて言った。
「え...うん。
いいけど」
「ほんと?」
佐伯はパッと明るい笑顔になった。