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浮気断定社
第10章 依頼人 高橋 美樹
にべもない対応に美樹のこめかみがピクピクと動いた。
「出して」
美樹は運転手にそう告げると警備員を睨み付けた。
ギリギリと美樹の歯軋りの音が静かな社内に響く。
六本木の交差点に差し掛かったところで
「とめて」
と美樹は言った。
「トシに今日は帰らないと伝えて」
そう言って美樹は六本木の街に消えた。
美樹はカウンターでテキーラを煽っていた。
豪快にレモンを口に絞り入れ
ショットを重ねる。
面白がる男が近づく。
「Hi girl!」
ーgirl ?
バカにしてんの?
美樹が睨む視線の先に黒光りした男の顔
「I'm Boby.From America.」
そう言って美樹のとなりに座る。
ー教科書かよ
「あんたガーナ人でしょ。
アメリカ人って言えば日本の女はホイホイ股を開くとでも思ってんの?」
美樹はカウンターに金を置いて店を出た。
ーったく イライラするわね。
全部あの女のせいよ。
あの貧相な瑠璃って女のせい。
私のものを次々奪うなんて
身の程知らずにも程がある!
美樹はふらつく足で六本木をさ迷っていた。
「出して」
美樹は運転手にそう告げると警備員を睨み付けた。
ギリギリと美樹の歯軋りの音が静かな社内に響く。
六本木の交差点に差し掛かったところで
「とめて」
と美樹は言った。
「トシに今日は帰らないと伝えて」
そう言って美樹は六本木の街に消えた。
美樹はカウンターでテキーラを煽っていた。
豪快にレモンを口に絞り入れ
ショットを重ねる。
面白がる男が近づく。
「Hi girl!」
ーgirl ?
バカにしてんの?
美樹が睨む視線の先に黒光りした男の顔
「I'm Boby.From America.」
そう言って美樹のとなりに座る。
ー教科書かよ
「あんたガーナ人でしょ。
アメリカ人って言えば日本の女はホイホイ股を開くとでも思ってんの?」
美樹はカウンターに金を置いて店を出た。
ーったく イライラするわね。
全部あの女のせいよ。
あの貧相な瑠璃って女のせい。
私のものを次々奪うなんて
身の程知らずにも程がある!
美樹はふらつく足で六本木をさ迷っていた。