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第9章 依頼人　瑠璃

「上条麗子です」

そう言って瑠璃に名刺を差し出した。

瑠璃は名刺を受け取りそれを見つめていた。

「何か力になれることはある？」

麗子は瑠璃に微笑んだ。

「えっ　と...
　助けて欲しいです　けど
　弁護士さんに払うお金はありませんし...」

瑠璃は名刺を見つめたまま呟いた。

「大丈夫。相談は無料。
　それにもし裁判をするならあなたは勝てばいい」

麗子は大きな目をバチンとウインクした。

「え?!裁判?!」

「考えてなかった？」

「ええ...」

「いいわ。
　まず話を聞かせてくれる？」

瑠璃は唇を噛んでしばらく考えていたようだったが
意を決したように麗子に向かって頷いた。