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浮気断定社
第9章 依頼人 瑠璃
瑠璃は麗子に連れられシェルターと呼ばれる場所へ行った。

そこは会社の寮にもなっていると麗子は話した。

「弁護士見習いってお給料安いのよ。
 だからここで勉強するようにって父が作ったの。

 上の階はシェルターとして保護を必要としている人の居住スペース。
 2・3階はうちの弁護士事務所の寮。

 1階は共有スペース。
 食堂や大浴場、ランドリーなどがあるの。

 ここではシェルターに住んでいる人が掃除や調理をして給与を貰っているの。その中から居住費を払い、外へ出る準備をする。

 外で働いている人もいるわ。

 時には裁判所命令を無視して家族を取り戻そうとやって来る夫や親もいるからその時は弁護士の卵たちが実践練習として擁護するの。

 お互い利にかなった場所になってるわ。

 弁護士は弱者のために働くという基本理念を忘れないために、保護された人々と暮らしその人たちと毎日向き合って生きていく手助けをする。

 ここはそういう場所なの。

 だから瑠璃ちゃんも安心して住めるわよ」

瑠璃は建物を見回した。

シェルターというから外界と閉ざされた暗いイメージを持っていたが、そこは普通のマンションのような作りだった。

しかし、セキュリティは万全の上に弁護士までついている。

こんな心強い場所はない。

「ありがとうございます」

瑠璃は麗子に頭を下げた。

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