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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第2章 蓮野に降る雪
「お願いだから、俺から離れるなどと言わないで下さい」
 口調は慇懃だが、その烈しい眼(まなこ)は拒むことはけして許さないと告げているようだった。
「わ、私」
 サヨンが震えながら口を開こうとするのに、トンジュはやっと微笑んだ。
「判ってくれれば、それで良いんです。大丈夫です。これからは俺が全力であなたをお守りしますから」
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