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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第3章 幻の村
 どうやら、眠ってしまったらしい。次に目覚めた時、眼の前では焔が赤々と燃え盛っていた。
 一時はあれほど感じた寒気も大分落ち着いてきている。身体がほのかに温まっているのは眼前で音を立てて燃える焚き火のせいだけでなく、身体に巻き付けた敷物越しにサヨンの身体に両腕を回し、しっかりと抱きしめる男の温もりのせいもあるのだろう。
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