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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第3章 幻の村
 天幕にいたのは寝込んでから数日間だけで、家が完成するなり、トンジュはサヨンを家に移した。高熱を発している身体に、夜露が十分に凌げない天幕はふさわしくないと判断し、自分は寝食の時間を削ってでも家の完成を優先させたのだった。
 寝込んで十一日め、サヨンはやっと熱も下がり、外に出ることができた。
 トンジュはまだ家で寝ていろと煩いのだけれど、サヨンが勝手に動き回っているのだ。
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