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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第4章 涙月
 トンジュが口の端を引き上げる。これが機嫌の悪いときの彼の癖なのだ。
「当たらずとも遠からずというところですね」
 突如として真後ろに気配を感じたかと思うと、髪に触れられた。愕いて身体を動かそうとし、諫められる。
「動かないで」
 どうやら髪に何かを挿したようである。
「もう動いても良いですよ」
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