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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第4章 涙月
 その声に、サヨンは手を伸ばして頭に触れてみた。結婚前の娘は長い髪を一つに編んで後ろに垂らするのが一般的だ。サヨンも今はその髪型をしている。
 手で触ってみると、堅い物に当たる。簪か何かだろうか。
「これは何?」
 トンジュを見上げて問えば、彼は少し眩しげなまなざしでサヨンを見つめていた。
「見てのとおりですよ」
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