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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第4章 涙月
 刹那、サヨンの中にすとんと落ちてきたものがあった。
「もしかして、今日、町で探していたものって、これだったの?」
「はい、お嬢さまは日頃から高価なものに慣れているので、あまりに安物を買えば、つまらない品だと身につける気にもならないでしょうし、かといって、今の俺には高い簪は買えません。これくらいのところが精一杯でした」
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