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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第4章 涙月
部屋中を燭台の光がぼんやりと照らし出している。蝋燭の焔が風もないのに揺れていた。
揺らめく火影がトンジュの整いすぎるほど整った横顔に濃い影を作っている。陰になった部分とはっきり見える部分は、ソン・トンジュという男の持つ二面性にも似ていた。
「馬鹿な女だな。俺の言ったことが聞こえなかったのか? 俺はあんたを殺す気はないよ、お嬢さん。生命を取るようなことはしなから、安心しな。まっ、死体と交わるのが趣味だっていう猟奇的な趣味を持ってる奴なら、話は別だがな」
揺らめく火影がトンジュの整いすぎるほど整った横顔に濃い影を作っている。陰になった部分とはっきり見える部分は、ソン・トンジュという男の持つ二面性にも似ていた。
「馬鹿な女だな。俺の言ったことが聞こえなかったのか? 俺はあんたを殺す気はないよ、お嬢さん。生命を取るようなことはしなから、安心しな。まっ、死体と交わるのが趣味だっていう猟奇的な趣味を持ってる奴なら、話は別だがな」