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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第6章 運命を賭ける瞬間(とき)
「もちろん漢陽中の人の数というのは信じられないけど、あそこまで豪語するからには期待できると思う」
 更にサヨンの話は続いた。履き物屋の主人と筆屋の女房の立ち話で、主人の老いた母親が長患いをしていることを知り、主人に草鞋を売って得た金の三分の一と老母の病を治してやることを約束したと話した。
「お前な、もし俺が治せなかったらとか考えなかったのか?」
 半ば呆れ顔のトンジュに、サヨンは笑った。
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