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とあるオクサマのニチジョウ
第7章 困惑と決意のオクサマ
 
「あっ、もしもしぃ?」

 受話器を当てた耳から飛び込んできた若い女の声。

「あ、はい」

 まだ出勤前の早い時間に、家に掛かってきた一本の電話。


…こんな早くから……
…セールスって…訳じゃ……


「どちらさまでしょうかぁ?」

 困惑しながらも、応対する恭子。

「そちら……マサユキさんの家…ですよねぇ?」

「…えっ?」

 早朝から掛かってきた、聞いた事の無い若い女からの電話。

 更には、確認するように吐き出された夫の名前。

 質問を無視して吐き出された女の言葉に、恭子の言葉が詰まる。


…会社の娘なら…普通は苗字で…呼ぶよねぇ……
…それとも…たまたま同名の…間違い電話?…


「もしもしぃ?」

「あっ…はいっ」

 困惑していれば、答えを促すような女の口調。

「えっとぉ……主人の名前もぉ……マサユキですがぁ……そのぉ………」

 声の張りや口調から、恭子よりも若いと思われる女。

 恭子よりも一回り以上年上の正行との関係が分からない今、恭子は言葉を濁すしかなかった。

「んじゃぁ、取り敢えず代わってぇっ。間違いだったらゴメンって謝るからぁ」

 まるで恭子のように語尾を伸ばして緩い口調で話す女。

 しかし、その口調に甘ったるさを僅かに感じた恭子。

「え、えっとぉ……」

 ズキッと胸が痛む感覚を覚え、受話器を掴む掌に汗を感じる。

 この女と夫の関係性に不安が過ぎりながらも、自らの事を考えると女に掛ける言葉が浮かんで来ない。

「いいから早くぅ」

 痺れを切らせた女の甘ったるい口調にも、恭子は表情を強張らせて受話器を持った儘でいた。

「……どうしたんだ?」

 そんな恭子の背後に、訝しがった正行の声が飛んだ。
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