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とあるオクサマのニチジョウ
第8章 ドキドキオクサマ
 
…あぁっ……私……私ぃっ……


 早過ぎる鼓動に気を失いたくなる。

 ギュッと閉じた目を、更に閉じようとばかりに力が入る。

 僅かなカラダの震えが大きくなっていく。

 近寄ってくる物音。

 震えを大きくさせているのは、恐怖なのか興奮からなのか分からない。

 ただ、明らかに大きくなっていく気配と物音に、恭子は胸とワレメを晒した儘で俯いていた。


…もう……見られ…ちゃう……
…こんな姿………


 昼間の公園で胸やワレメを晒している痴女。

 気持ち悪がられるのか、劣情に駆られて襲われるのか、恭子の頭は思考を繰り返してはカラダを震わせる。

「んはぁ…はぁ………」

 左手を胸に、右手を股間に当てた儘、熱い吐息がクチから溢れる。

 男の行動を読めない息苦しさと早まる鼓動。

 熱い吐息を洩らし続ける恭子は、次の瞬間を待つだけだった。


…この儘…此処で……
…この男に…犯されたり…しちゃう………


 僅かな距離に他人の気配を感じた瞬間、恭子は最悪の状態を覚悟した。

「…はぁ……はぁ………
 ……………?」

 しかし、覚悟を決めた恭子に触れる感覚は訪れず、声も掛けられる事は無かった。
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