この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
とあるオクサマのニチジョウ
第8章 ドキドキオクサマ
「…えっ!?」
不意に聞こえたマスターの声。
「…いや……もう閉店って………」
慌てて顔を上げた恭子に、苦笑するマスター。
狭い喫茶店を見れば、その言葉通りに客の姿は皆無。
「あ、あのぉ………」
記憶が正しければ、カウンターに常連の客が居た筈だった。
「あぁ。さっき帰って、レジ打ちは俺が………」
「あ…す、すいませぇん……」
恭子の言葉を先読みしたマスターの言葉に、恭子は謝るしかなかった。
「今日はこの前にも増して、ボーッとしてたけど………」
カウンターの上を拭きながら吐き出された言葉に、恭子は顔を赤らめる。
「す、すいませぇん」
露出の余韻に引き摺られていたとは言えない。
今夜もノーブラ・ノーパンで居る為に集中出来ないとも言えない。
結局、謝るしかなかった恭子。
顔を俯き気味に伏せた儘で頭を下げると、閉店作業に取り掛かった。
…やっぱり…マスターの顔……見れないぃ………
前夜の事を考えると、マスターの顔を直視出来ないでいた。
バイトに来て数時間。
一度も目を合わせる事も無く、ドキドキと鼓動を早めた儘の恭子は店の奥へと脚を進めた。