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とあるオクサマのニチジョウ
第9章 小麦色と白いオクサマ
俯き気味に顔を伏せて意識を妄想へと向けていた為に、向かって歩いてきていた杏子に気付いていなかった恭子。
「あ…。あ、アンズ…ちゃん………」
ビニール袋を下げた小麦色の肌の女性。
白いタンクトップにジーンズ地のショートパンツという、活発そうな姿をした杏子を前に口籠もる。
杏子の同居人の正俊と、杏子が寝ている横で体を重ねた事実から杏子を避けていた。
不意に現れて、白い歯を覗かせて笑顔を向ける杏子の顔を直視出来ない。
一瞬でマスターとの妄想は頭から飛び、露出の興奮で火照ったカラダは強張る。
あの時、杏子が確実に寝ていたという事実は全くない。
正俊にワレメを貫かれる刺激に喘ぐ声を抑えていたとしても、全く洩れていなかった訳でもない。
あらゆるマイナスの可能性だけが恭子の頭を過ぎると、恭子は口を開けずにいた。
「最近、恭子姉と話してないからさぁ。どうしたのかと思ってねぇ」
俯き気味の儘、チラッと視線を向ければ、相変わらず笑顔を見せていた杏子。
「あ……そ、そうねぇ……」
避けていたとは言えない恭子は、歯切れも悪く口を開く。
「てか、今日は……バイト?」
ばつが悪そうにする恭子を余所に、杏子は笑みを見せた儘だった。